やって来たトンボ

かっぱの楽校　生き物講座93

八国山では、北川かっぱの会など市民団体や市民の意見も踏まえ、東京都により生物多様性保全に取り組んだ整備が行われています。今年の春は、そのうれしい成果と思われることがありました。

トンボにも配慮して整備してもらった湿地を覗くと、水面を大きなトンボが飛んでいます。クロスジギンヤンマのオスが、パトロールしているのでした。クロスジギンヤンマは、春から初夏に見られるトンボで、プールのヤゴ救出作戦で多く救出されるギンヤンマと近い種類で、姿も似ています。しかし、ギンヤンマのように開けた場所ではなく、森に接したような池沼を好みます。東村山では私は初めての確認でした。

しばらく観察していると、目の前にいきなりもう１頭大きなトンボが舞い降りてきました。クロスジギンヤンマのメスです。そのまま水面に浮かんでいるヨシの茎に産卵を始めました。トンボに配慮した整備が早速効果を発揮し、クロスジギンヤンマを誘導したようです。このように八国山が、一層生物多様性豊かな場所になってくれたらうれしいです。（ビー永島）

産卵するクロスジギンヤンマ（八国山）

2018.7.8 かっぱ通信123号に掲載