蛙合戦

かっぱの楽校　生き物講座87

北山公園や八国山には、絶滅危惧種のカエルが数種類生息しています。幸いアズマヒキガエルはそれには含まれていませんが、滅多に目にすることはありません。アズマヒキガエルは、いわゆるガマの油で知られるガマガエルで、いぼいぼのある大きなちょっとグロテスクなカエルです。

ミミズや虫などを食べ、目の後ろから毒を分泌することもできますが、温厚なので人に害を与えるようなことはまずありません。産卵の時のみ水中に入り、普段は陸上で生活し雑木林などにいます。産卵は池などの止水で行われ、この時は多くの個体が集まり大騒ぎになるので、その様子は蛙合戦と言われています。

八国山や北山公園付近でもまれに親を見かけることはありましたが、どこで繁殖しているのだろうと思っていたところ、この春、八国山の二つ池で規模は小さいながらも蛙合戦が見られました。八国山はアズマヒキガエルが生息していくための環境が安定していると思われるので、人知れず暮らしてきたのでしょう。しかし、オタマジャクシの頃はアメリカザリガニに捕食されてしまうので、決して安心はしていられません。どこかでばったり彼らに出会っても、気味悪がらずにそっと見守ってやってください。（ビー永島）